障害者年金

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2023年02月28日

1 正確な名前

 「障害者年金について相談したいのですが・・・」とのお問合せをいただくことがしばしばあります。
 前後の文脈からどのような趣旨なのかはわかるため、誤解することは無いのですが、正確な呼称は「障害年金」といいます。

 ここでは、その障害年金について、概要を述べます。

2 障害年金のあらまし

 障害年金は、公的年金の1つで、重い障害を負った際に国から保険給付を受けられるというものです。
 年金は社会保険の1つであり、社会保険とは、国民の安心な生活を保障すべく国が運営している保険とされます。

 日本の公的年金は、国民皆年金の特徴を持っており、基本的に20歳以上60歳未満の方は強制加入とされています。
 また、保険給付の原資となる保険料は、賦課方式が採用され、現役世代が受給世代を支える仕組みになっています。

 対象となる重い障害は、日常生活や労働に支障をきたす程度であることが求められます。
 そして、支障の程度に応じて、1級、2級、3級の等級が用意され、数字が少なくなるほど程度が重くなります。
 さらに、3級は、厚生年金加入者のみが対象です。

 障害年金が受給できるのは、所定の保険料を納付(※ 免除も含む)した加入者に限られます。
 ただ、20歳未満については、20歳前障害基礎年金が用意されており、保険料の納付要件はありません。

 障害のもたらしたケガや病気の原因は、特に問われません。

労働者災害補法保険では業務災害か通勤災害、自動車賠償責任保険では自動車事故によって傷病となったことが求められますが、障害年金においては関係ありません。

生まれながらの障害も対象に含められています。

 障害年金を申請するには、必ず通院して問題となった傷病について医師の診断を受けなければなりません。

診断を受けなければ、初診日とそこから1年半経過ごとの障害状態についての証明ができず、申請ができなくなります。

 加えて、障害年金は認定後、一定期間が経過すると更新手続きを受ける必要があります。

 更新時に程度が改善していれば、等級が引き下げられたり、支給されなくなったりします。
 逆に悪化した場合は、その事情を診断してもらった上で、年金額増額改定の請求をすることが認められています。

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