障害年金は「精神障害」も対象?障害年金の受給条件と精神障害の関係
1 精神障害も障害年金の対象となる
障害年金は、病気やケガによって障害の状態となり、日常生活や働くことに一定の制限がある方に支給されます。
その対象は、目や耳、手足等の外部障害、内臓や神経、免疫等の内部障害に加え、精神障害及び知的障害も含まれます。
2 障害年金の受給条件
障害年金を受給するための条件は以下の3つです。
・初診日要件
初診日とは、障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関で診察を受けた日のことで、初診日に国民年金か厚生年金に加入している必要があります。
初診日に国民年金に加入している場合は障害基礎年金の支給対象となり、初診日に厚生年金に加入している場合は障害基礎年金及び障害厚生年金の支給対象となります。
なお、国民年金に加入する期間は原則として20歳以上60歳未満の期間ですが、初診日が20歳未満の期間にある場合と日本国内に住んでいて60歳以上65歳未満の期間にある場合も、例外として初診日要件を満たしていることとなり、障害基礎年金の支給対象となります。
・保険料納付要件
初診日の前日の時点で、過去に保険料を納めていたかが判定されます。
具体的には、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないか(初診日に65歳未満の場合に限る)、年金制度に加入してから初診日の属する月の前々月までの期間の3分の2以上の期間で保険料を納めているか免除されていれば、保険料納付要件を満たすことになります。
・障害状態要件
障害認定日に一定の障害の状態にあることが必要です。
具体的には、障害基礎年金の場合は1級か2級、障害厚生年金の場合は1級か2級か3級のいずれかに該当する必要があります。
障害認定日は、原則として初診日から1年6か月が経過した日です。
また、障害認定日に上記の等級に該当しなくても、その後障害の状態が悪化し、65歳になる前に上記の障害の等級に該当するような状態になれば、障害年金が支給されます。
3 精神障害で障害年金を請求する際のポイント
精神障害の症状は、外部障害のように目に見えないため、短時間の診察で医師に症状を細かく伝えることは困難です。
そのため、診断書の作成を依頼する際に、日常生活や仕事においてどのような不自由があるかを文書等で伝えることが効果的です。
また、仕事をしていることが障害の程度の判断に影響を与えやすい傾向にあるため、仕事をしている場合には、障害者雇用であるか、職場が障害者向けの作業所であるか、仕事の内容に制限があるか、職場から仕事の仕方について配慮してもらっているか等を診断書に反映してもらうことが必要です。