障害年金の受給には「医師の診断書」がカギを握っている
1 診断書が重要である理由
障害年金の審査は書類のみで行われ、面接等は行われません。
また、審査は認定医と呼ばれる医師が行うことから、申請者自身の申告内容よりも医学的な根拠が重視されます。
したがって、主治医が作成した診断書の内容が等級の認定に大きな影響を与えるということになります。
2 診断書の選び方
障害年金の申請に用いる診断書には8つの種類があり、どのような障害にどの診断書を用いるかは申請者が選択することができます。
一つの病気やケガから複数の障害が生じている場合には、複数の診断書を提出することもあります。
例えば、脳梗塞で体に麻痺が生じるとともに、高次脳機能障害と失語症がある場合には、肢体の障害用の診断書、精神の障害用の診断書、言語機能の障害用の診断書を提出することを検討します。
がんによって身体の衰弱が生じている場合、その他の障害用の診断書を提出しますが、がんが神経を圧迫して体に痛みやしびれが生じている場合には、肢体の障害用の診断書を提出することを検討するという形になります。
3 診断書の作成を依頼する際のポイント
8つの種類の診断書に共通する「① 障害の原因となった傷病名」、「② 傷病の発生年月日」、「①のため初めて医師の診察を受けた日」を間違いなく記載してもらうことが非常に重要です。
また、いつの時点の症状について診断書を作成してもらうかを医師に明確に伝える必要があります。
検査の数値等も大事ですが、「現症時の日常生活活動能力及び労働能力」欄は等級の判断に影響を与えやすいため、実際の障害の状態に見合った医師の判断を記載してもらうことが大切です。
これらの項目に間違いがある場合や、障害の状態を正確に反映していない記載がある場合には、訂正をしてもらう必要があります。